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➽  育毛剤のこと
➽  洗髪用化粧品(シャンプー)の機能と特徴

育毛剤のこと

【育毛剤】
 育毛剤は頭部に用いて頭皮機能を正常化し、また、頭皮の血液循環を良好にして毛包の機能を高めることにより、発毛育毛促進並びに脱毛防止及びふけやかゆみを防止することを目的に開発され てきました。

一般に用いられている主な有効成分等は、血行促進剤、毛母細胞賦活剤、抗男性ホルモン剤、抗炎症剤、ふけ抑制剤、頭皮の鎮痒剤、頭皮の保湿剤、頭皮の浸透促進剤で概略は次のとおりですが、 アルコール水溶液に各種の薬効成分、保湿剤、油分、香料、色素、可溶化剤などを添加した外用剤として製品化されています。

配合成分の種類や配合量、効果・効能の差で化粧品、医薬部外品、一般医薬品、医療用医薬品の4種類に分けられています。

※ 「医薬品《「医薬部外品《の詳細は薬事法をご確認ください。

1 血行促進剤
 血行促進剤として著吊なミノキシジルは、微弱な持続性血行促進作用を有し毛乳頭の血管内細胞増殖因子の発現を高める血圧降下剤としてアメリカで開発され、使用した患者の髭が濃くなる ことからその有効性が推定されました。

また、降圧剤のジアゾキサイドや抗てんかん薬のフェニトインも、副作用として多毛症をもたらすことが知られています。

2 毛母細胞賦活剤
 育毛剤には毛包細胞への栄養補給、あるいは毛母細胞の酵素活性の賦活による毛成長の促進を目的として、ビタミン、アミノ酸、生理活性成分が配合されています。

ビタミンとしては、ビタミンA(ビタミンAアセテート)、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6(塩酸ピリドキシン)、ジアルキルモノアミン誘導体、ビオチン、パントテン酸カルシウム、 パントテニアルアルコールなどがあり、アミノ酸としては、メチオニン、システイン、セリン、ロイシン、トリプトファン、アミノ酸エキスなどである。

特に、ビタミンは補酵素として毛が成長する過程に深く関与しており、ビタミンの欠乏により脱毛、毛成長の阻害、毛の質的低下の起こることが知られています。

種々の生薬成分にも毛母細胞の分裂増殖・分化、角化に影響を及ぼすものがあり、オトギリソウエキス、オウゴン、トウキンセンカ、ニンニクエキス、ニンジンエキス、ポルファリン系化合物、 ミネラル類などがあります。

3 抗男性ホルモン剤
 男性型脱毛症(aga)が主として男性に発生することで、男性ホルモンが関係するとされています。
このことから育毛剤に配合する抗男性ホルモン(5α-レダクターゼ活性阻害及び男性ホルモン受容体結合阻害)剤として、女性ホルモンであるエストラジオール、エチニルエストラジオール などや、前立腺肥大症の治療薬であるフィナステリド、オキセンドロンなどが用いられています。

また、体内にある男性ホルモンに拮抗する作用を有する物資としては、スピロノラクタン、プロゲステロン-3・17-ジオンなどが、椊物由来エキスではオイゲニルグルコシド、チョウジエキス、 クアチャララータエキス、デュークエキス、ポップエキスなどがあげられます。

4 抗炎症剤
 抗炎症剤は、頭皮の炎症を抑えて頭皮を良好な状態に保ち、脱毛を予防し、毛の成長を促進することから育毛剤に用いられています。

頭皮の炎症を抑制する抗炎症剤にはアズレン、アラントイン、グリチルリチン・グリチルレチン及びその配糖体(グロチルリチン酸ジカリウムなど)、塩酸ジフェンヒドラミン、 酢酸ヒドロコルチゾン、プレドニゾロンなどがあり整髪剤にも配合されています。

5 フケ抑制剤
 脱毛が始まって1年以内の男性型脱毛症の初期では85%に、4年までの中期では70%にフケがみられ、頭皮での軽い炎症の起こることが知られており、頭皮を清潔にしてこの炎症を 抑えることが大切です。

 フケ抑制剤としては、殺菌剤、角層溶解剤、抗脂漏剤(皮脂成分抑制剤)が、殺菌剤としては、塩化ペンザルコニウム、クロルヘキシジン、ヒノキチオール、フェノール、 イソプロピルメチフェノール、ビオゾール、感光素101、感光素201などが、角層溶解剤としては、サリチル酸、レゾルシン、フェノールなどがあります。

また、抗脂漏剤としては、硫黄、ピリドキシン及びその誘導体、レシチン、ジエチルスチルベストロール、チオキソロンなどがあります。

6 頭皮の鎮痒剤
 鎮痒剤としてはアズレン、アラントイン、グリチルリチン・グリチルレチン及びその配糖体(グロチルリチン酸ジカリウムなど)、塩酸ジフェンヒドラミン、酢酸ヒドロコルチゾン、 プレドニゾロンなどがあり、育毛剤には頭皮のかゆみを抑えるためにこれら鎮痒剤が配合されています。

7 頭皮の保湿剤
 保湿によって頭皮の状態を整えることで育毛効果を上げる場合があります。
頭皮の保湿剤としては可溶性コラーゲン、グリセリン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ピロリドンカルボン酸、プロピレングリコール、ミニササニシキ抽出エキスなどがあります。

8 頭皮の浸透促進剤
 有効薬剤が皮膚へ浸透するのを高める薬剤を経皮吸収促進剤と呼び、近年注目を集めています。
配合される有効薬剤としては、1-リモネン、ビサボロール、1-メントール、デルアミドなどがあります。

洗髪用化粧品(シャンプー)の機能と特徴


洗髪用化粧品シャンプーは、育毛に関する意識の高まりから頭皮の環境を清浄するために用いられ、頭皮用洗浄剤とも呼ばれています。

製品としてのシャンプーの種類は数えきれないほど氾濫していますが、機能、形態、外観性状などから次のように分類できます。

1 機能分類及び特徴
機   能 特   徴
(1)フケ取りシャンプー 抗菌成分を配合し、フケの防止を目的とした医薬部外品
(2)クレンジングシャンプー 整髪剤などのヘアケア化粧品を落とすことを目的としたものや、頭皮や毛穴の汚れを効果的に落とすことを目的としたもの。
(3)カラーシャンプー
 
染料を配合し、使用を重ねることで毛髪を徐々に染めるもの。
(4)マイルドシャンプー 頭皮・頭髪に対する刺激がより低いもので、敏感な頭皮やダメージを受けた毛髪用としても用いられる。
(5)コンディショニングシャンプー(リンスインシャンプー) リンス成分を配合し、使用後にリンスの必要のないもの、2in1シャンプーとも呼ばれ、毛髪につややすべり、潤いなどを与える。

2 外観性状から分類
機   能 特   徴
★透明シャンプー
★パールシャンプー
★ジェルシャンプー
★クリームシャンプー
★粉末シャンプー等
それぞれ外観が透明、真珠光沢様、ジェル状、クリーム状、粉末である。

3 主要成分から分類
成分別分類 吊   称 特   徴
シャンプー成分 (1)オイルシャンプー 洗い上がりの感触向上を目的としてオイルを配合したもの
(2)泥シャンプー 洗い上がりの感触向上を目的として特殊な泥を配合したもの
(3)石鹸シャンプー 石鹸を主体としたもので、さっぱりとした感触のもの
(4)アミノ酸系シャンプー アミノ酸系界面活性剤を主体としたもので、低刺激性をうたったもの
(5)濃縮シャンプー 洗浄成分を高濃度に配合したもので、使用時に少量で効果があるもの
(6)ドライシャンプー 水を使用して洗髪できない場合に使うもので、粉末タイプ、液状タイプがある
リンス成分 (1)枝毛コート 枝毛を修復するもの
(2)ブローローション 髪の毛をドライヤーの熱や物理的刺激から保護することを目的としたブローする前に使用する保護剤
(3)ヘアローション 乾燥した毛髪への水分補給剤
スプレーミスト (1)寝ぐせ直し 寝ぐせを修復するもの
(2)毛髪保護剤 染毛、パーマ施術後に使用して毛髪へのダメージを軽減するもの
(3)毛髪修復剤 染毛、パーマ施術後に使用してダメージを受けた毛髪の修復を目的とするもの


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